Adobe ExpressとFigmaはそれぞれどんなツール?
デザインツールを選ぶ際、Adobe ExpressとFigmaはよく比較対象として挙げられますが、実は用途が大きく異なる2つのツールです。それぞれの特徴を理解した上で、自分の目的に合ったツールを選ぶことが重要です。
Adobe Expressは、マーケティング素材・SNS投稿・プレゼンテーションなどのビジュアルコンテンツを素早く作成するためのノーコードデザインツールです。豊富なテンプレートとAI機能を備え、デザインの専門知識がなくても使いこなせる点が特徴です。
一方、FigmaはプロのデザイナーやエンジニアがUI/UXデザインを行うための専門ツールです。ウェブアプリ・モバイルアプリのデザインから、チームでのリアルタイムコラボレーションまで対応した高度な機能を持ちます。主にデジタルプロダクトのデザインに特化しています。
Adobe ExpressとFigmaの機能比較
具体的な機能面での違いを詳しく比較します。
| 比較項目 | Adobe Express | Figma | どちらが有利 |
|---|---|---|---|
| テンプレート数 | 数万種類以上 | コミュニティ提供のみ | Adobe Express |
| AI機能 | Firefly統合・生成AI充実 | 基本的なAI機能のみ | Adobe Express |
| UI/UXデザイン | 非対応 | 業界標準の高機能 | Figma |
| プロトタイピング | 限定的 | 高度なプロトタイプ作成 | Figma |
| チームコラボ | 基本的な共有機能 | リアルタイム共同編集 | Figma |
| 価格(無料プラン) | 制限付きで利用可能 | 制限付きで利用可能 | 同等 |
| 学習コスト | 低い(直感的) | 高い(習得に時間要) | Adobe Express |
| Adobe連携 | 完全統合 | プラグインで対応 | Adobe Express |
価格プランの詳細比較
コストパフォーマンスの観点から両ツールの価格体系を比較します。
Adobe Expressは無料プランと有料プランの2種類が用意されています。無料プランでも基本的なテンプレートとAI機能の一部が使えますが、Adobe Fireflyの全機能・Adobe Stockプレミアム素材・高度なブランドキット機能を使うには有料プランが必要です。有料プランはAdobe Creative Cloudとの統合プランが最もコスパに優れています。
Figmaは個人無料プランで3プロジェクトまで利用でき、Professionalプランは月額12ドル(年払い)、Organizationプランは月額45ドルとなっています。チームでの本格利用にはOrganizationプランが推奨されますが、コストが高くなります。
ユーザー別おすすめの選び方
どちらのツールを選ぶべきかは、使用目的とユーザーの技術レベルによって異なります。
Adobe Expressがおすすめのユーザー
- ブロガー・ライター・個人事業主でコンテンツ制作が目的の方
- SNS運用・マーケティング担当者
- デザインの専門知識がないがプロ品質の成果物が必要な方
- Adobe Creative Cloudをすでに使っている方(追加費用なしで使える場合あり)
- スピーディーなコンテンツ量産が求められる方
- AIを活用したデザイン制作に興味がある方
Figmaがおすすめのユーザー
- プロのUI/UXデザイナー・Webデザイナー
- スタートアップ・IT企業のプロダクトチーム
- デザイナーとエンジニアのコラボレーションが必要な開発チーム
- ワイヤーフレームからプロトタイプまでの設計プロセスが必要な方
- 高度なデザインシステムの構築が必要な方
Adobe ExpressとFigmaの実際の使用事例比較
実際の使用シーンでどちらを使うべきか、具体的な事例を挙げて比較します。
事例1:ブログのアイキャッチ画像制作
ブログ記事のアイキャッチ画像を週に5〜10枚作成する場合、Adobe Expressが圧倒的に向いています。豊富なテンプレートから選んでテキストを変えるだけで、クオリティの高いアイキャッチが5分以内に完成します。Figmaでも作れますが、テンプレートが少なく作業に時間がかかります。
事例2:スマホアプリのUI設計
スマートフォンアプリのUI設計では、Figmaが業界標準ツールです。コンポーネント管理・オートレイアウト・プロトタイプリンクなど、UIデザインに必要な機能がすべて揃っています。Adobe Expressにはこれらの機能はありません。
事例3:会社のブランドガイドライン統一
チーム全体でブランドガイドラインを統一したコンテンツを制作する場合、Adobe ExpressのブランドキットとFigmaのデザインシステムのどちらが向いているかは目的によります。マーケティング素材・SNS投稿・広告クリエイティブの統一ならAdobe Express、デジタルプロダクトのデザイン統一ならFigmaが適しています。
両ツールを併用する最適な方法
実はAdobe ExpressとFigmaは競合ではなく、補完的な関係にあります。両ツールを用途に応じて使い分けることで、デザインワークフロー全体を最適化できます。
おすすめの併用方法は以下の通りです。
- Figmaでデザインシステムを構築: 基本的なカラーパレット・タイポグラフィ・コンポーネントをFigmaで管理
- Adobe ExpressでマーケティングコンテンツをAI生成: SNS投稿・広告・ブログ画像はAdobe Expressで素早く制作
- Adobe Creative Cloudで高度な編集: 複雑なグラフィック制作はPhotoshop・Illustratorで対応
Adobe Creative Cloudで全ツールを活用する
まとめ:目的に合わせてツールを選ぼう
Adobe ExpressとFigmaは、それぞれ異なる目的に特化した優れたツールです。SNSビジュアル・マーケティング素材の制作ならAdobe Express、UI/UXデザイン・プロダクト開発ならFigmaというシンプルな使い分けが最適です。
コンテンツクリエイター・ブロガー・マーケターにとっては、Adobe ExpressのAI機能と豊富なテンプレートが圧倒的な生産性向上をもたらします。一方でデジタルプロダクトを開発するエンジニアやデザイナーにはFigmaの高機能が欠かせません。自分の役割と目的を明確にした上で、最適なツールを選択してください。
Adobe ExpressとFigmaそれぞれの今後のロードマップ
ツール選択においては現在の機能だけでなく、今後の開発ロードマップも重要な判断基準です。Adobe ExpressはAdobe Fireflyとの統合を深化させる方向で継続的な機能追加が行われており、2024〜2025年にかけてAI機能のさらなる強化が予定されています。特に動画生成・音声合成・自動アニメーション機能など、マルチメディアコンテンツ制作の自動化が加速する見込みです。Figmaは2023年にAdobe Creative Cloudとの統合を検討していたAdobe買収計画が規制当局の反対で撤回されたことで独自路線を歩んでいます。Figmaは2024年以降、AIデザイン支援機能(Auto Layout改善・VariablesのAI活用等)の強化を進めており、UI/UX分野での競争力を高めています。ブロガーやマーケターの視点からは、AI機能の充実が著しいAdobe Expressの進化の方向性がより実用的な価値をもたらすと考えられます。
Adobe ExpressとFigmaの学習リソース比較
新しいツールを習得する際、利用可能な学習リソースの質と量も重要な選択基準です。Adobe Expressは公式のAdobe Learnプラットフォームで豊富なチュートリアル動画・ガイド記事が提供されており、日本語対応のリソースも充実しています。Adobe Creative Cloudのサブスクリプションユーザーはこれらのリソースに追加費用なくアクセスできます。Figmaはグローバルな大規模ユーザーコミュニティが形成されており、YouTubeでの解説動画・Figmaコミュニティでのプラグイン・テンプレートが豊富です。ただし日本語の学習リソースは英語と比較して少ない傾向があります。初心者がゼロから始める場合は、Adobe Expressの方が習得しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
ツール選択で迷ったときは、「今すぐ何を作る必要があるか」という実用的な観点から判断することが最も大切です。ブログやSNS運用が主目的であればAdobe Expressを選び、まず試してみましょう。使いながら不足を感じた時点で他ツールを検討すれば十分です。

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